二〇世紀ひみつ基地

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♪光る海 光る大空 光る大地・エイトマン

最近、NTT「フレッツ光」のCMでSMAPが歌う
♪光る海 光る大空 光る大地 行こう無限の地平線……♪
というフレーズが流れると、ついつい画面に眼が行き耳を傾けてしまう。
この曲は、ぼくらのスーパーヒーローだった「エイトマン」のテーマソングの冒頭部分。
あのころ、この曲を口ずさむと血湧き肉躍り自分が強くなれたような気がした。
歌詞は
♪走れエイトマン 弾丸(たま)よりも早く 叫べ胸を張れ 鋼鉄の胸を♪
と続くのだが、この部分がカットされているため、CMが流れ始めたころは不覚にも「エイトマンのテーマ」とは気づかなかった。あんなに好きな曲だったのに。ただ、このメロディーが流れると、えもいわれぬなつかしさが意識の下層から浮上し、過剰なほどに反応する自分がいた。

「エイトマン」

前田武彦 作詞
萩原哲晶 作曲
克美しげる 唄

光る海 光る大空 光る大地
ゆこう 無限の地平線
走れエイトマン 弾丸よりも早く
叫べ胸を張れ 鋼鉄の胸を

呼んでいる 呼んでいる 呼んでいる
立とう 正義の旗のもと
誇れエイトマン 天より高く
ふるえその腕を 鋼鉄の腕を

燃ゆる空 燃ゆる風 燃ゆる心
進め 無敵の力もて
征けエイトマン 誰よりも強く
響け轟け 鋼鉄の男



作曲の萩原哲晶は青島幸男と組んで、「スーダラ節」「ハイそれまでヨ」「ホンダラ行進曲」など一連のクレージーキャッツのヒット曲を書いた人。前田武彦(マエタケ)はテレビ放送創成期からの脚本家でタレント。CMで使われている冒頭の部分は、高度経済成長期の「明るい明日への限りなき夢と希望」を感じさせる、時代を象徴する名曲だと思う。

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オープニングタイトルで新幹線を追い抜くエイトマン
10万キロワットの原子炉によって人間の千倍の速度で走る

カルトSF作家・平井和正と、天才漫画家・桑田次郎(のちに二郎と改名)のコンビで、「週刊少年マガジン」で連載されていた「8マン」が、ТBSでアニメ化されると、たちまちのうちに人気を集め、視聴率は「鉄腕アトム」の抜くほど、その脚本も、辻真先、半村良、豊田有恒など錚々たる面々が担当し、原作の奥深さと人間味溢れるキャラクター、すこしバタくさく洗練された描画は少年たちを虜にする。

ストーリーは・・・、
警視庁捜査一課の腕利き刑事・東八郎は、凶悪なギャングを捕らえようとして、ピストルで全身を撃たれて瀕死の重傷を負う。そのとき謎の天才科学者谷博士が現れ、スーパーロボットの電子頭脳に東の記憶の全てを移し替え、世の悪と戦う勇者として再び蘇った。警視庁のどの部署にも属さない8番目の刑事・エイトマンは、普段は私立探偵、ひとたび事件が起きると秘密捜査官エイトマンに変身、この世の犯罪を撲滅させるために大活躍する。

ところでこのストーリーどこかで見覚えがないだろうか?
そう、あの映画「ロボコップ」とそっくり。「エイトマン」は1966年に「8th Man」として全米で放映されているため、「ロボコップ」は「エイトマン」が元ネタとされ、そのデザインも東映の「宇宙刑事シリーズ」からのパクリといわれている。

20050520185605.gif

鋼鉄の身体を持ち超高速で走り、人間とロボットとの狭間で苦悩する「エイトマン」は、電子頭脳がオーバーヒートすると、ベルトのバックルに仕込まれたはタバコ型の「強化剤」に火を付けて吸い鎮静させるという、嫌煙思想が広がる現代ではありえないヒーローであり、その姿にあこがれて真似をする子どもたちのアイテムが駄菓子屋のロングセラー「ココアシガレット」であった。

約一年間続いたテレビ放映終了後もその人気は衰えず、「少年マガジン」の連載は順調に続いていたが、昭和四十年(1965)桑田次郎が拳銃不法所持で捕まり、新聞の見出しは「エイトマン逮捕さる!」と事件を報じた。まるで「エイトマン」が悪人になったようで本当にショックだったことをおぼえている。連載は急遽連載中止となり、逮捕の数週間後、アシスタントの代筆による最終回で幕を閉じる。

桑田は自伝の中で、不法所持していた拳銃は、あまりの忙しさにノイローゼ状態に陥り、自殺用に用意したものだったと語っている。昭和四十年は、芸能界・スポーツ界の大規模なピストル汚染がマスコミを賑わせた年で、平尾昌章がピストル横流しの疑いで逮捕、桑田のほかに石原裕次郎、大薮春彦、若羽黒、千代の山、大鵬、柏戸、北の富士らの不法所持が発覚した。

謹慎を終えた桑田は、同年「週刊少年キング」で平井和正とのコンビで「エリート」の連載開始。少年マガジンにも読み切りの「8マン」を不定期連載する。

ちなみに連載漫画のタイトル「8マン」が、アニメ版では「エイトマン」とタイトルが変わった理由は、「8」だとТBSのライバル会社「フジテレビ=8チャンネル」を連想させるため「エイト」に変更されたという。「8マン」は「8番めの刑事」であったが、もうひとつは「8マン=はちまん=八幡神」、つまり武神・八幡大菩薩という意味もこめて平井和正が命名した。

昭和五十一年(1976)、テーマソングを歌っていた克美しげるは、再起の邪魔になった愛人を殺し逮捕される。そのため「エイトマン」のオリジナルテーマもしばらくは封印され、その後発売されたサウンドトラックでは他の歌手のカバー版が収録されていたが、最近になってオリジナルを使った復刻版のCDやDVDが発売されている。

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「のりたま」と「エイトマン」



関連リンク

8マン作品リスト
http://www2.odn.ne.jp/~ccs89380/pzlist8/8mnlist.htm
まぼろしの最終回の画像あり(全ページ)
アシスタントによる執筆のため桑田のオリジナルと比べると物足りないが、物悲しいラストシーンは強く印象に残っている。

海外の「エイトマン」オタク
http://8thman.com/history.htm
http://www.geocities.com/betoeitoman/index.htm

米国版「エイトマン」テーマソング
http://www.tvtunesonline.com/freebies/8thman.asp
米国版「ウルトラマン」テーマソングなどもあり

60年代日本アニメのサイト
http://www.geocities.com/cjmariano/engl_8thman.htm
オリジナルテーマソングの一部が聞ける

エイトマンヘの鎮魂歌 平井和正
http://www.ebunko.ne.jp/eightmana.htm

桑田二郎official
http://www.kuwata-jiro.com/index.htm
拳銃不法所持事件以後の桑田は、精神世界へ傾倒し、仏教を題材にした漫画などをも描いている。

| 昭和ノスタルヂア・秋田 | 08:08 | comments:4 | trackbacks:1 | TOP↑

COMMENT

はじめまして、
懐かしく、拝見しました。
あまりに、詳しく紹介されているので、紹介させて貰いました。
事後で、失礼しました。”ねごと”が伺いました。

| 寝言は寝て言え! | 2005/06/14 10:33 | URL | ≫ EDIT

は、しれエイトマン

こちらのブログにはじめて書き込みます。

>≫斜体の文ところで、この「エイトマン誕生」のストーリーは、どこかで見覚えがないだろうか?。そう、あの映画「ロボコップ」とそっくり。

エイトマンと言うと、自分は宍戸開さんがエイトマンを演じた実写版映画「エイトマン・すべての寂しい夜のために」を思い出しますね。

その映画でも、「殉職した刑事の記憶に苦悩するエイトマン」な描写があったと思いますが、「エイトマンはロボコップの原点」と言う印象を覚えました。

エイトマンと言うと、自分も克美しげるさんの歌う「エイトマンの歌」を連想しますが、「走れエイトマン 弾よりも早く」と言うメロディを聴くとファイトが沸いてきます。

| マスオとやかまし村の子どもたち | 2010/11/11 13:33 | URL | ≫ EDIT

夜の8マン

昔、8マンのソノシートに「夜の8マン」という曲が入っていたと思います。ご存知の方はいらっしゃいませんか?子供心にエラく渋い曲だと覚えています。

| 穆然 | 2011/01/14 12:00 | URL |

夜の8マン 懐かしいです。

はじめまして。

赤いランプが闇に消えた~♪
って、ヤツですね。
1番の歌詞なら完全に覚えてますね。

| ぱい | 2011/02/15 20:38 | URL | ≫ EDIT















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SMAPが歌う♪光る海 光る大空 光る大地♪

ここのところ流れる↑、NТТ東日本「フレッツ光」のTVCMをご存じでしょうか?SMAPが歌う♪光る海 光る大空 光る大地 行こう無限の地平線…♪と流れると、ついつい画面に目が行き、口ずさんでしまう。そしてこの先で、ハミングになってしまう部分を声を出して歌ってい

| 寝言は寝て言え! | 2005/06/14 10:34 |

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