看板の落ちて師走の旭川・出来すぎた偶然

2010.12
新屋の風力発電用風車の羽根が折れた12月初旬の荒天の際に破壊されたのか、秋田市大町を流れる旭川に「洋服の菅新」の看板が落下していた。

明治30年創業という老舗、オーダーメイド紳士・婦人服の「菅新洋服店」はもともと、すぐそばの「秋田名店街」一階で営業していて、「本金デパート」と「秋田名店街」が大町再開発で取り壊されたとき、一丁目橋たもとの居酒屋「あみもと」向かいに建つ「旧・竹内スポーツ店」ビルに移転。もう30年ほど前のその頃「菅新」であつらえたスーツは仕立てが丁寧で、まだたまだ現役だ。

2010.05
一年ほど前からビルの灯りが消えて、店頭に「都合によりしばらく休業」するゆえの告知が貼られ、先日は備品が運び出されていた。
文字通り“看板を下ろした”状況での今回の落下事故は偶然にしてはあまりにも出来すぎ。店の顔である“店名文字”という言霊(コトタマ)の宿った看板が、役割を終えたことを悟り、あたかも自らの意志で落下したかのよう。
川に落ちた看板はすでに撤収済み、そして屋上に残った看板もフレームもろとも撤去された。なじみの看板が消えた師走の街に“諸行無常”と吹く風がやけに身に染みる。

2010.11
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