二〇世紀ひみつ基地

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妙覚寺の腹高地蔵さんと地母神

●おなかの大きなお地蔵さん


10.06

秋田市旭北寺町、曹洞宗・妙覚寺境内の六地蔵。ありゃ?六体じゃなくて七体あるぞ!と良くみれば、右端の大きな地蔵さんの脇に「子安地蔵」の標柱。妊婦を守護する安産の地蔵さんだ。


10.06

「子安地蔵尊」の標柱は平成六年に建てた新しいもの。

この地蔵さん、古い観音菩薩がいつしか地蔵尊に変身したものと伝えられ、お腹が少しふくらんだ妊婦の姿をしていることから「腹高(はらたか)地蔵さん」と親しまれ、安産を願う者は豆腐を供えるのが古くからの習わしで、以前はその前面に豆腐を供える木製の台が置かれていた。ふっくらと突き出た腹をなでると安産するともいわれている。

「子安地蔵」「腹帯(はらおび)地蔵」など、安産に関する地蔵さんは多いが、妊婦の姿をそのまま表現した物件は全国的にも珍しい。


●地蔵菩薩のルーツは大地の母

お釈迦さんの入滅後、弥勒菩薩が出現するまでの五十六億七千万年のあいだ、混濁した無仏の世の中で、さまざまに姿を変え、六道をめぐって人々を救済・教化する役割を託され、日本では安産と子どもの守護神としても庶民に信仰された地蔵菩薩。優しくおだやかな顔を持つ反面、地獄の閻魔大王に化身し憤怒の形相で亡者を叱咤する。

右手に錫杖(しゃくじょう)を持つ修行僧の装束をまとい、童子の石像も少なくはない地蔵さんに女性のイメージはない。ましてや妊婦とは結びつかないが、そのルーツをたどると古代インドの女神にたどりつく。

地蔵菩薩の語源、サンスクリット語のクシティガルバを訳すと、「クシティ」=「大地」、「ガルバ」=「胎蔵」、これを意訳して「地蔵」。「胎蔵」は「一切を含有する母胎・子宮」を意味する。

つまり「地蔵」はもともと、大地の生命力・生産力を神格化した、万物を生み育てる大地の母・地母神、ギリシャ神話でいうガイア、日本神話ではイザナギノミコトに相当する女神だった。それならば妊婦をかたどった地蔵さんがいてもおかしくはなく、むしろそれが地蔵さんの本来の姿といえる。

おだやかな表情の地蔵菩薩が閻魔大王に化身するように、ありとしあるものの命を育む大地母神もまた、人々を黄泉(よみ)の国へと誘う恐ろしい破壊神の一面を持つ。その母胎である大地は死と再生が絶え間なく繰り返される輪廻(サイクル)の場であるのだから。


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