産館ホールへ行こう

秋田産業会館 昭和三十年代
秋田県庁が山王に移転した空地の一角に、県内の物産品の公開展示、産業経済のセンターを目的とした「秋田産業会館」、通称「産館」が竣工したのは昭和三十五年(1960)。
九百五十人収容の大ホールでは、式典、大会、コンサートのほかに、秋田おばこコンテスト、見本市などの各種イベントが開かれる、県民にとってはなじみ深い施設だった。
常に若い世代とともに、その時々の流行の音楽が流れ、天井にはミラーボールが輝いていた産館ホール。初期にはダンパ(ダンスパーティー)の会場として連日のように満員になったという。男女の出会いの場でもあったダンパで奏でられる音楽は、ジャズからロカビリー、そしてゴーゴーダンスのエレキサウンドへと変遷、その後はフォークソングブーム、ロックバンドブームと続いた。

完成して間もない産館ホール内部
一階の椅子を移動すると、広いフロアになる
私の世代は60年代末から70年代のフォークソングブームのころ。
秋田のフォークソングムーブメントのカリスマ的存在であった山平和彦が率いる「あきたおんがくくらぶ」主催のコンサートでは、地元の山平をはじめとして、山平のバックバンドで後に「東京」でミリオンヒットを飛ばすマイペース、八竜の鬼才・友川かずき、能代高校同期生デュオ・とんぼちゃん、今は地元限定タレントあべ十全のデュオ・田吾作、天井桟敷の俳優・昭和精吾などがステージに上がり、中央からは先日五十六歳の若さで逝去した高田渡、永遠の少年・あがた森魚などのゲストを迎えて、産館ホールはおおいに盛り上がったものだ。
いつも若いエネルギーが満ちあふれていた産業会館は、平成一年(1989)にオープンしたアトリオンに受け継がれ、旧産業会館は別館として残ったが、老朽化と再開発用地であったことから取壊され、跡地はBMX、スケボー、ローラースケートの練習場となっている。

仲小路側から産館スケートパーク
その向こうに協働社ビルの跡地に建つ高層マンション
夏草やつわものどもが夢のあと
大きな地図で見る
附録:70年代「秋田フォークソングムーブメント」関連リンク
山平和彦 Discography
山平和彦 official
飯田川町に生まれ、秋田市立高在学中に 「あきたおんがくらぶ」結成。三年生のときデビューシングル「7月21日早朝に」をレコーディングし、卒業と同時に日本初のアンダーグランドレーベルURCからデビュー。
放送禁止を皮肉ったシングル「放送禁止歌」が、文字通り放送禁止に、同曲が収録された初アルバム内の「大島節」、「月経」が猥褻を理由に発売禁止、後に曲を入れ替えて発売。
名古屋に定着しDJ、プロデューサーなど。
昨年、轢き逃げ事故により逝去、享年五十二歳。
森田 貢(マイペース)プロフィール
「東京」試聴
山平のバックバンドをやっていた、マイペース。
「東京へはもう何度も行きましたね~」の「東京」は、フォークソングでは異例のミリオンヒット、ロングセラーとなる。今も現役の森田は才能豊かだった。
友川かずき official
友川かずき インタビュー
音楽生活30周年記念アルバムによせて 文/嵐山光三郎
ロック大学/友川かずき
八竜町出身。
繊細にして過激、秋田なまりのカタリと透明な絶叫、笑いと緊張の交差するライブ。
フォークソングという枠を超え、日本のオリジナルパンクなどと称される。
数々の伝説を残した、70年代秋田出身では最も印象深いアーチスト。
いまだに表現者としてのパワーは衰えず、昨年、三池崇史監督による映画『IZO』に、本人「友川かずき」役で出演し劇中歌を歌う。
とんぼちゃんファンサイト
能代高校同期生デュオ・とんぼちゃん
現在、市川(よんぼ)は秋田市のリバーシティオフィス社長(プロデュース業)。
鶴瓶に楽曲を提供し、秋田でジョイントコンサートを開いたことも。
卒業と同時に上京したので、秋田での活動は短い。
昭和精吾 official
大館鳳鳴卒業後上京、演劇の道へと進み、東映では『網走番外地』にも出演。
寺山修司のアングラ劇団「天井桟敷」に参加し多数の舞台に出演する。
70年ころ秋田で奥羽企画を立ち上げ、フォークシンガーらと活躍。
スタイルはギターを弾きながらの詩の絶唱だった。
奥羽企画の最初の企画が秋田県民会館でのコンサート。
高田渡、加川良、遠藤賢司、三上寛、あがた森魚、友川かずき、山平和彦という豪華メンバーで、2000人の動員を記録している。
あべ十全(田吾作)
「田吾作音頭」でメジャーデビューしたフォーク・デュオ「田吾作」は、シングルおよびアルバムを各一枚リリース。
| 昭和・平成ノスタルヂア・秋田 | 23:00 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑
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