二〇世紀ひみつ基地

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フェアリーのベルを鳴らせよ釣鐘草


09.08

盛夏から晩夏にかけて、釣鐘形で薄青紫の可憐な花をつける、キキョウ科の多年草・ツリガネニンジン(釣鐘人参)、別名・ツリガネソウ(釣鐘草)。

春先の若葉は山菜として、ゴマ和えや天ぷらで食され、細いニンジン状の根も食用にするほか、漢方では咳止め・去痰薬として使われる。

ツリガネニンジンをトトキともいい、長野県の俗謡に「山でうまいはオケラにトトキ 里でうまいはウリナスビ 嫁に食わすも惜しゅうござる」とうたわれるほど珍重された山菜だった。オケラはキク科の多年草でこれも若葉を食べる。

秋田県内での呼び名(方言)は、トドキ、トットキ、ヤマダイコン、ヌノバなど。

画像の上の方に赤いものがみえるが、これは茎に群がって汁液を吸うタイワンヒゲナガアブラムシ。虫にとっても美味しい植物なのか、ツリガネソウは害虫による食害が多いという。

妖精が宿るかのような愛らしいその花は詩人たちに愛され、宮沢賢治は「ブリューベル」青いベルと呼んだ。
あやしい鉄の隈取りや
数の苔から彩られ
また捕虜岩(ゼノリス)の浮彫と
石絨の神経を懸ける
この山巓の岩組を
雲がきれぎれ叫んで飛べば
露はひかってこぼれ
釣鐘人参(ブリューベル)のいちいちの鐘もふるえる
‥‥後略‥‥
           宮沢賢治『早池峰山嶺』より

風が吹いて草の露がバラバラとこぼれます。つりがねそうが朝の鐘を、
「カン、カン、カンカエコ、カンコカンコカン」と鳴らしています。
                    宮沢賢治『貝の火』より
釣鐘草 野口雨情

小さい蜂が 来てたたく
釣鐘草の 釣鐘よ
子供が見てても 来てたたく
大人が見てても 来てたたく
釣鐘草の 釣鐘よ
静かに咲いてる 釣鐘よ

   『青い眼の人形』より
風の子供 竹久夢二

風の子供が 山へ出て
釣鐘草をふきました
釣鐘草は目をさまし
ちんから ころりと 鳴きだすと
薄(すすき)も桔梗も刈萱(かるかや)も
みんな夢からさめました
‥‥後略‥‥
      『日本童謡集』より


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