続・春を告げる「だるまさん祭り」

手のひらサイズのミニだるま
鬼門除けの守り神、火伏せ、風邪除けの神という「星辻だるま」は、明治までは神社の講中で造っていたが、今は県外産。五万円もする大きなものから百円のミニダルマまであるなかで、この百円のものが、いちばん素朴で愛らしく、人気があって初日には売りきれてしまう。頭の上に「星」、お腹には「川反一丁目」を表す「川」と「一」の装飾文字。大きなだるまには「福一満」の文字があるが、これは比較的最近のもので、伝統的なデザインは「川一」である。かつては川反の芸者さんのマスコット的存在でもあった。


もともと秋田市内、特に外町周辺の祭りだったのが、市外からも参拝者が集まるようになったのは、昭和四十年代のこと。「火伏せ」と「鬼門除け」、近年では「商売繁盛」「学業成就」を祈る参拝客は、一年間の役目を終えた、だるまを持って神社に納め、新しいだるまを買い求める。毎年一万五千個ほどのダルマが売られるが納められるダルマの方が多い。というのも他所で買い求めただるまも納めていく人もいるから。そのため古いだるまは境内を埋め尽くすほどの量になる。

役目を終えた古いだるまを納める
納められた大量のだるまは、六月にお祓いののち数個を旭川に流し、他は焼却されるが、四十年代の後半には、すべてのだるまを秋田大橋まで運び、雄物川から日本海に流していた。日時は六月の最終日曜日、人のツミケガレをヒトガタに託して川に流す、六月晦日の「大祓・オオハラエ」も兼ねた行事であったのだと思う。

かつての「だるま流し」
この「だるま流し」は、公害問題もあって数年間で終わってしまうが、大量の赤いだるまが川を下る姿は壮観であった。

露店が出るのは宵宮の十二日だけ
| 祭り・民俗・歳時記 | 23:00 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑
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