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河骨は真昼の闇に灯りけり


船形手水鉢・千秋公園

伝説の船形手水鉢(ちょうずばち)がすえられた、千秋公園の茶室・宣庵の池(霊泉)に、六月になるとスイレン科の水草・コウホネが黄金色の花をつけはじめる。茶花として千利休が好んで用いた花だ。



白く露出する根茎が骨のように見えることから、「河骨」と書いてコウホネと読ませる。漢方では根茎を「川骨」(せんこつ)と呼び、強壮薬・止血剤・婦人薬として用いる。澱粉を多く含むこの時期の根茎は食用にも使われた。

八橋の山王さん(日吉八幡神社)の春祭りで、統人はコウホネの根を餅に搗合わせた「河骨餅」をつくり神前に供え、祭りが終わると同じものを藩主に献上したという。



花弁のように見える外側の五枚は萼片で、次第に緑色を帯び、まるで噴水の水圧が増すかのように、中心の柱頭は徐々に突起してゆく、その造形の面白さ。厚手の葉は濃緑色で艶があり大きい。



水中から茎を伸ばして咲く、「河骨」という不気味な名が似合わない可憐で鮮やかな花を、俳諧の世界では、「闇に灯る」「金のマチ針」「金の鈴」「鈴を振るわす星」……とロマンチックに表現している。

全開した花よりも、つぼみが少し開いたあいだから、花芯をかいまみせる頃の花が、つつましやかで美しく、その造形的な姿は「家紋」の意匠に多く採用されている。


左上から時計回りに、割り河骨・中輪に五つ裏河骨・河骨枝丸・丸に三つ河骨

コウホネが咲く池(霊泉)を見下ろす、八幡秋田神社に近い台地が「霊泉台」、「お出し」とも呼ばれる藩主の展望台があった場所である。

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