「たろんぺ」は由緒正しき方言

雪の中を夢中で駆けまわり、のどが渇いたら、雪を食べるか、軒にぶら下がった「たろんぺ」をなめたりかじったりして、のどを潤した子供のころは、今よりも雪は高く積もり、容易に軒に手が届いた。よく育った長い「たろんぺ」はチャンバラの刀にもなるが、すぐにポッキリ折れてしまう。子供らにとって「たろんぺ」は、その名の響きとともに親しみ深い存在だ。
秋田の方言「たろんぺ」の語源は「垂る氷・たるひ」つまり、「垂れ下がる氷」という意味の古代のことば。それに対して標準語の「つらら」は氷柱ではなく、普通の「平らな氷」を意味していた。しかし、中世からは「たるひ」が廃れ、「つらら」が転用されるようになって現在の標準語となった。
「たるひ」系の方言は、東北と北陸や九州の一部に残る。
県内では「たろっぺ」「たらんぺ」「たろんぺ」「たらこ」等が分布。変わったところでは、由利地方の「たろごじろご」、南秋田の「がら」がある。
朝日さす軒のたるひは融けながら
などかつららの結ぼほるらむ
『源氏物語』
現代語訳
軒の氷柱は朝日にとけながら、
どうして地面に張った氷はとけないでいるのでしょうか
意訳
あなたは表面は気を許したように見えながら
どうして底の方で打ちとけないものがあるのですか
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