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伝説の大イチョウ・座頭小路

秋田市・歴史の小路(三)

中通五丁目、土手長町通りにある、ホテル・ルートイン(旧アキタニューグランドホテル)の北側の小道を座頭小路という。


座頭小路
右にホテル・ルートイン(スーパー健康ランド・華の湯)

そのむかし、小金持ちだった下亀ノ丁(現・大町二丁目)の座頭が、ここを通りかかったところ、金目当ての邪悪な武士にねらわれ惨殺された。このとき座頭の握っていた杖から芽が出て、みるみる根を張り、やがては大きなイチョウの木になった、と言い伝えられている。殺された座頭は、実は悪らつな高利貸で、憤慨した武士が斬り殺したという説もある。

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秋田市保存樹
伝説を伝えるイチョウの木、後ろに北都銀行

樹高約25メートル、周囲約6メートル、樹齢およそ四百年。根元にある焼跡は過去に火災に遭ったことを物語り、伝説では木の所有者が変れば枝葉が茂らないともいう。

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つい最近、このイチョウの木をめぐる騒動があった。

平成十六年六月、イチョウの所有者が土地売買を目的に更地にするため、保存樹指定解除申請書を市に提出。

都市緑化推進専門部会による審議では、保存を求める意見が大勢を占めたものの、所有者の意向を無視することもできず、結局は指定解除の方向で話が進み、イチョウの下のブロック塀に貼られた「秋田市指定樹」の標識も取り外されてしまう。

ところが、秋田市内に住む土地所有者の一人が、標識を取り外した理由を市に問い合わせてきた。実は、この土地は十一人の共同所有地(ほとんどが県外在住)であり、保存樹の指定解除申請は土地所有者全員の合意によるものではなかったことがこの時点で判明し、市長は答申の保留を決定する。

周辺住民らが結成した市民グループ「座頭小路のいちょうの木を守る会」では、市による保存管理を要望する署名運動を展開し、五千名を上回る署名を集め要望書を提出。平成十六年十二月、市は保存樹指定解除申請を取り消す。

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平成十六年、市民グループが贈った看板

医者と弁護士が多かったこの町は、今ではマンションやホテルが増え、その街並はすっかり変わってしまったが、座頭小路の西側は、イチョウを始めとする木々がうっそうと、往年の面影をそのまま残し、古い建物も残っているのには、共同所有地という複雑な理由があったのだ。

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座頭小路から西(川反)を望む

いずれは寿命をむかえ朽ち果てる運命にある樹木を、持ち主の意志を無視してまで、ただ保存を叫ぶだけの行為には賛同しかねるが、しかし、人間の寿命をはるかにしのぐ歴史という年輪を重ね、老翁のような重厚な存在感を漂わせて、無言のコトバを語りつづける大木を、まだ生あるうちに切り倒すという行為は、愚かで罪深いことである。やむなく伐採する場合も当事者はそれを認識し、しかるべき段取りを踏んで事に当たらなければならない。

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歴史のごとく積み重なりしイチョウの実

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座頭小路・周辺地図

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