二〇世紀ひみつ基地

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蘇る月刊『少年』の時代

光文社が創立六十周年を記念して、先ごろ月刊『少年』昭和三十七年四月号の完全復刻版を限定出版した。ずいぶん前から予約を受け付けていたらしいが、それを知ったのは発売後、もう少し遅れていたら、新品では入手できなかった可能性もある。

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五千五百円という値段は高く感じられるかも知れないが、この時代の月刊少年誌の古書相場は状態にもよるが総じて高く、もしも附録も全て揃ったデットストック品(以前は希にみられたが…)が出たら、とんでもない値段がついてしまうことを考えると決して高価とはいえず、この復刻版もいずれはプレミアムがつく可能性もある。

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約四十数年ぶりに校庭に埋めたタイムカプセルを開けて、小学校低学年の自分と再会するような不思議な感覚と興奮をおぼえながら、歴代の表紙が小さく印刷されボックスを開くと、そこには昭和三十年代が真空保存されていた。

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表紙は長嶋茂雄

まだカラー写真が割高だった時代、印刷会社では製版職人が白黒写真を元に、長年培った勘を頼りに色分解し、カラー写真印刷を作製していた。だからこの当時の印刷物には、職人の手仕事による特有のノスタルジックな味わいがある。

主な連載は以下の通り

鉄人28号 横山光輝
サスケ 白土三平
ストップにいちゃん 関谷ひさし
シルバークロス 藤子不二夫
鉄腕アトム 手塚治虫
少年台風 小沢さとる
ポテト大将 板井れんたろう
ロボット一家 前谷惟光
銀河R3 桑田次郎
ガンキング 堀江卓
代打者 寺田ヒロオ
少年同盟 石森章太郎

少年探偵団/超人ニコラ 江戸川乱歩

この豪華メンバーをみれば、昭和三十七年が『少年』の絶頂期であったこと、復刻版としてこの号が選ばれた理由がわかる。

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別冊附録

昭和三十年代のこと、隣家のお兄さんが高校受験を控え、勉強に集中させるためという口実で、それまで愛読していた漫画雑誌を処分することになり、我家に数年分の月刊『少年』がやってきた日の歓喜は忘れがたい。しかし、その影で、大切にしていた雑誌を取りあげられてしまった隣りのお兄さんの心持ちは、果たしていかほどのものだったかと、今思う。

そのころ、月刊誌を毎月かかさず買ってもらえるのは、一部の裕福な家の子供だけ、フツーの家の子供たちは、貸本屋か友達から借りて回し読みするものだった。ただし一年に一度、正月号だけは毎年買って貰えたのだが、当時は『少年』のほかに『少年画報』『ぼくら』『冒険王』などの月刊漫画誌が、正月号ともなれば、豪華な附録を満載して発行部数を競っていたため、店先にたたずみ、しばらくのあいだ「どれを買おうか……」と悩んだものだ。

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別冊附録と組立て附録がはさまれた状態で、タコ糸で十字に縛られて分厚くふくれ上がり、平積みされた月刊誌は、子供たちの羨望の的として、本屋の店頭で宝物のように光り輝いていた。

月刊『少年』完全復刻版は、そんな時代を生きた世代にとって、三十年代のあの日に帰ることができるタイムトンネルであり、スペシャルなタイムカプセルなのだ。

関連リンク
光文社商品ページ

4334940536月刊漫画誌 「少年」 昭和37年 4月号 完全復刻BOX
コミック編集部

光文社 2005-10-19
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| 昭和ノスタルヂア・秋田 | 23:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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