金萬は秋田名物ではなかった!?

秋田名物「金萬」は、卵・蜂蜜と小麦粉で作った焼皮に白餡を包んだお菓子。昭和28年、秋田駅前の金座街に誕生したことから「金萬」と名付けられた。初期の広告などでは「金万」と表記されている。
駅の真向かい、パチンコ屋の並ぶ通りにあった「金萬」には、製造機が設置されていて、カシャンカシャンとリズミカルな音を響かせて、半自動的にまんじゅうが作られる工程を見ることができた。機械の音と焼きたての甘い香り、時折その様子をジッとみつめる子供の姿は秋田駅前の風物詩だった。
現在は東通の工場で製造しているため、製造工程の実演は見ることができない。駅前の公営駐車場(かつて金座街があったあたり)にある本舗には、ガラス越しに製造機が置かれているが、近ごろ動いているのを見ないので、今はオブジェと化しているのではないだろうか。
「金萬」は秋田だけのオリジナル菓子だと思っていたが、どうやらその認識は間違いだったようだ。店頭でまんじゅう製造機による実演販売をする店もある、カステラ生地の皮に白餡を包んで焼印を入れた「金萬」そっくりな小さな円筒形のまんじゅうは、北海道から九州まで全国各地に点在している。
値段は一個三十円から七十円ほど、菓子名で一番多いのは「都まんじゅう」または「都まん」「みやこまん」。その他、「ロンドン焼き」「清水焼き」「カステラまんじゅう」「とうまんじゅう」等々。それぞれに「高知名物」「平塚土産」「茅ヶ崎名物」「桑名銘菓」などと冠されて、その土地の名物になっているのだ。各地のまんじゅうを並べて味比べしてみたい。
秋田のオリジナルと信じていた「金萬」が、どこもにでもあるお菓子だと知って、ちょっとショック。しかしね「金萬」というネーミングは秀逸だと思うよ、と自分を慰めてみたりする。
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▼追記
「金萬」の起源・歴史についての詳細は、下記関連記事「秋田銘菓?「金萬」製造ロボットを見学しよう!」に。
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関連リンク
都まんじゅう調査隊
最近は更新が止まっているが、各地の都まんじゅう系お菓子の情報がまとめられている。
リンクには「都まんじゅう製造風景」の動画あり。
都まんじゅう - Wikipedia
札幌名物「とうまん」物語
都まん本舗(高知)
焼印を隠せば金萬と間違えてしまいそう。
浅草 中村屋・都まんじゅう
東京に居ると「金萬」がなつかしいなんて、こんな近くに同じものがあるじゃん。
ロンドンヤのロンドン焼(京都)
都まんじゅう・イメージ検索
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