消えゆく赤「ぢ」看板
▲秋田市旭北栄町(消失家屋)2005.02
赤い“ぢ”文字が眼を惹く「山田薬局」の看板。
「赤ちゃん用品 育児相談 ひふ病で評判の」とキャッチフレーズがある「山田薬局」(現・山田相談薬局) の住所、秋田市大町に「旧大工町」と旧町名が添えられている。
秋田市の町名が旧町名から新町名に変わったのが1967(昭和42)年。秋田局の市内電局番が二桁になったのは1969(昭和44)年だから、昭和40年代中期に設置されたものだろう。
昭和の街角によく見られた「ぢ」看板や痔薬の広告も最近あまり見かけなくなった。
▲秋田駅前・広小路「船木薬店」(消失店舗)2004.02
現代仮名遣いで「痔」のふりがなは「じ」が正解。しかし痔薬においては歴史的仮名遣いである「ぢ」が伝統的に使われている。
「痔」を表現するには「じ」よりも「ぢ」のほうがふさわしく、圧倒的に訴求力がある。
「ぢ」は日本でいちばん短いひらがな文字看板。ひらがな一文字で通じる看板も珍しい。赤文字の「ぢ」は「血」に通じ、そのふくらんだ形状は「イボ痔」のようでもある。
昭和の元祖「ぢ」看板といえば「ヒサヤ大黒堂」のネオン看板。↓
有人來日本逛銀座的時候,看過這張看板嗎?這個巨大字眼不僅是個企業標誌,日文「ぢ」有「痔瘡」的意思。是的,這座大廈是日本一家既知名又有歷史的痔瘡藥廠商的東京分店。 pic.twitter.com/3lwsQ7o9mQ
— uedada《日本製造》銷售中 (@uedada)
上掲画像は銀座の夜に輝くネオンサイン。太く力強い「ぢ」の濁点が飛び散る血液のようでダイナミック。
慶長16(1611)年創業という「ヒサヤ大黒堂」の薬品は一般の薬局では取り扱わず、直営店と通販のみで販売。昭和40年代から新聞広告を大量に掲載し、各地に支店を拡げ、香港支店に「ぢ」のネオン看板を出すまでに成長するが、現在はその規模を縮小、ネオン看板が残っているのは銀座だけのようだ。
▲1969(昭和44)年「ヒサヤ大黒堂」新聞広告
▲1982(昭和57)年「ヒサヤ大黒堂」新聞広告
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