二〇世紀ひみつ基地

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2008年03月 | ARCHIVE-SELECT | 2008年05月

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茶町の老舗・三傳


三浦傳六商店・茶町菊ノ丁

明治末から大正期の撮影と思われる、旧茶町菊ノ丁、現在の大町二丁目、ニューシティービル裏の一角に存在した、秋田の典型的な切妻の町家「三傳本店」。

破風下の三段化粧梁、二階左手に施された「うだつ」が、ひときわ眼を惹く立派な造りで、屋根には防火のための天水瓶が上がっている。

弘化四年(1847)、茶町菊ノ丁に茶紙荒物商として創業。現在は新屋に本拠を移し、総合商社として営業をつづけている。

外町を焼き尽くした明治十九年の大火・俵屋火事で類焼、再建した店も、明治三十八年、大町二丁目と茶町菊ノ丁のほとんどを焼く大火で焼失するが、このときは土崎湊上酒田町の支店(明治二十年開業)をそっくり菊ノ丁に移すことで、いち早く店を開くことができた。これが画像の店舗。


書籍広告 左・明治二十年 右・大正十一年

数字の「五」をデザイン化した鼓型の家印は「五体に通じて動かざること山のごとし」という意味があるという。

営業品目をみると、茶・紙・砂糖・畳表・小間物など、この時代になっても、藩政期に茶町で専売を許可された商品がそのまま受け継がれているのが面白い。自動車を取り扱う以前、昭和初期までの主力商品は砂糖であった。


Fig. 331 Front to Fig. 332
Bruno  Taut『Houses and People of Japan』(1937・初版) より

上の画像は、建築家・ブルーノ・タウトが昭和十年五月に秋田市を訪れ、版画家・勝平得之の案内で市内の建築物を見て回った際、タウトの助手兼通訳を務めていた上野伊三郎が撮影したもの。

この時点で「三傳本店」は東隣の上肴町、「仏壇の升谷」の向かいに移転し、画像の物件は同族会社である「三浦屋」が利用していた。


Fig. 293 Front to Fig. 294
Bruno  Taut『Houses and People of Japan』(1958・再版) より

こちらは戦後に勝平得之が撮影した「三浦屋」(旧三傳本店)。このときすでに「三浦屋」は廃業し同社経営の「秋田合同倉庫」となっている。

現在の「三傳商事」の営業品目は、紙・包装資材・生活雑貨・食品・建材・石油など。そのほか「秋田日産自動車」をはじめとする関連グループ企業も数多い。

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関連リンク

三傳商事株式会社

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手形堀反町の堀を偲ぶ

消えた堀の記憶(四)

秋田駅西北地区の区画整理(詳細は関連リンクに)により、旧手形堀反(ほりばた)町西側の店舗・住宅が取り壊され、それまで建物の陰に隠れていた、藩政時代からの土手が人の目にさらされるようになった。


08.04 旧堀反町の土手

堀反町の名が示すように、ここにはかつて堀が水を湛えていたが、明治から大正にかけて埋め立てられ、はじめは田圃、のちに宅地となり商店が並んだ。

堀反町の土手下に水を注ぎ、往時の風景を再現してみた。


08.04 堀反町の堀(再現)

区画整理事業完成のあかつきには、かつての堀の上に道路が走ることになる。


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消える街並・手形堀反町

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馬糞饅頭と10円饅頭

●かぐわしき馬糞饅頭

昭和30年代の末頃まで、家の前の未舗装の狭い道を、毎日のように荷馬車が通っていた。仁井田方面の農家から駅前の市場へ野菜類を運ぶ馬車や、屎尿汲取桶を何個も積んだもの、そして馬の落とし物も道のあちこちに転がっていた。

路上で遊んでいてうっかりそれを踏んでしまうと、「○○(名前が入る)ばんば(大便)踏んだぁー、きたねぇ(汚い)、あっちゃいげー(あっちに行け)」と皆に囃されることになる。大人たちもとくにそれを片づけるでもなく、しばらくするとそれは土と化し風に舞う。

荷馬車が通ったあと、道にはホカホカの馬糞が湯気をあげている。そんな光景があたり前だった時代、街のお菓子屋さんには「馬の糞(くそ)饅頭」が並んでいた。



「うまのくそ、二つけれ」などと言って買ったその饅頭は、皮に黒砂糖をつかい、重曹でふくらませた素朴な風味の黒糖饅頭。「馬の糞饅頭」が正式名称なのではなく、その形も色も本物の馬糞そっくりであったための愛称であったが、いつしか街から馬車と馬糞が消え、その呼び名も死語となる。

●10円饅頭と食の崩壊

饅頭といえば最近、秋田市に「10円まんじゅう」のフランチャイズ店が進出して話題を呼んでいる。小ぶりながらも10円という激安価格で販売できる理由を、「中国産の小豆を現地で生餡に加工し、冷凍して輸入しているため」と、「10円まんじゅう」を発案したという若き社長が取材に応じていた。あの毒入り冷凍餃子事件の前のことである。

なかには国産原料使用を謳う店もあるが、中国産の加工餡にわずかの国産小豆を混入して「十勝小豆使用」と臆面もなく表示した例があるように、偽造表示だらけの世の中、どこまで信用して良いものかわからない。

中国産の小豆を使用しているだけならまだ良い。問題は加工餡だ。中国では高価で品薄な砂糖の替わりに、はるかに安価なチクロやサッカリンが普通に使われている。チクロは発ガン性の疑いがあるため、日本では昭和40年代に食品への使用を禁止された人工甘味料である。

チクロについては発ガン性を否定する研究結果もあり、現在は EU圏でも使用され、サッカリンについても弱い発癌性があるとの研究結果から使用禁止になったが、その後の動物実験で発ガン性が示されなかったため、現在、アメリカでは全面解禁、日本ではチューインガム、練り歯磨きなどに限って使用が許可されている。

「10円まんじゅう」に限らず、低価格の菓子パンや和菓子類にも、中国産小豆はもちろん中国製加糖餡を使った商品は少なくはなく、大豆、小豆、小麦粉は言うに及ばず、米粉までも外国産原料が使用されているとあっては、それを和菓子と呼ぶに躊躇してしまう。

最大の問題は現時点で、加工度合いが高いという理由により、パン・菓子類の「原料原産地表示」は義務化されていないということ。もし中国で農薬まみれで作られた小豆を、不衛生な環境で人工甘味料で加工した生餡を使っていたとしても、消費者はそれを知ることも、チャイナフリーを選択する余地も与えられていないのだ。

「馬糞饅頭」が店頭に並んでいた昭和40年に70%あった食品自給率も今では40%を切るありさま。「食防」の手をこまねいているうちに、日本の食環境は取り返しのつかない瀕死状態に陥り、戦わずして「食の植民地」の汚名を着せられるまでになってしまった現状が嘆かわしい。

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雪道には馬橇が走り

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アゴラ広場「巨大かぼちゃ」の行方

「草間彌生展 PUMPKIN FOREVER」も四月中旬で終わり、秋田駅前・アゴラ広場に展示されていた、草間彌生のインスタレーション「巨大かぼちゃ」も分解撤去された。長いあいだ見なれたものが突戦消えるとなんだかさみしい。


08.01.23 アゴラ広場

その「巨大かぼちゃ」の行方だが、フォーエバー現代美術館を運営するウィズユーグループ(医療法人惇慧会)の広報誌によれば、グループが新たに開設する、外旭川サテライトクリニックの屋上にシンボルとして設置されるのだそうだ。院内には画家・法貴信也のオブジェなど芸術作品も多く展示されるとのこと。


外旭川サテライトクリニック完成予想図(WITH YOU Vol.11 より)

設計段階では「巨大かぼちゃ」を設置する計画はなかったのかも知れない、特徴のないごく普通の建物に、それがのっかているのが、なんだかアンバランスかつユーモラスである。


香港・海港城に於ける「草間彌生展」2007.10.09-31
蘋果日報(香港) より

このインスタレーションはもともと、見上げる(鑑賞する)のではなく、地上にあって誰もが触れることのできる身近なアートとして作成されたものと思う。できるならば直島の「赤かぼちゃ」のようなオープンスペースに置いて、いつでも自由に遊べるようにしてほしかったが、そのためにはスペースを確保しなければならないわけで・・・。


草間彌生「赤かぼちゃ」香川県香川郡直島町
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

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アゴラ広場に巨大かぼちゃ出現

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ウィズユーグループ

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シベリアケーキは大正ロマンの香り



先日、スーパーで「シベリア」という商品名の「シベリアケーキ」(たけや製パン)を発見。その名は知っていたが実物を見るのははじめて。



「シベリアケーキ」とは、大正から昭和にかけて流行した、羊羹または練り餡を、カステラまたはスポンジケーキでサンドした和洋折衷のお菓子、オリジナルは三角形で、「シベリア」または「シベリアパン」とも呼ばれている。

明治後期から大正初期頃から、東京周辺のパン屋で製造販売され、カフェーの前身であるミルクホールでも人気のメニューだったという。



「カステラがシベリアの雪原で、羊羹がシベリア鉄道を表す」、「カステラがシベリアのツンドラで、羊羹が黒竜江を表す」、「日露戦争に従軍した菓子職人が創作した」など、「シベリアケーキ」というネーミングの由来については諸説がある。

あがた森魚が昭和48年にリリースしたアルバム「噫無情 / レ・ミゼラブル」に収録された「最后のダンスステップ(昭和柔侠伝の唄)」という曲に、「シベリアケーキ」が登場する。





この曲で「シベリアケーキ」という言葉を初めて耳にした頃はまだ、往時のモボ・モガ(モダンボーイ・モダンガール)たちに愛された、エキゾチックな名を持つ未知のお菓子について、さまざまに思いめぐらすのみ。

それから35年の歳月を経て出逢った、たけや製パンの「シベリア」は、羊羹とスポンジのコンビネーションがマッチして食べ応えがあり、どこか懐かしさも感じさせる、B級グルメチックなお菓子であった。

一時はほぼ絶滅状態になっていた「シベリアケーキ」、最近になって復活させる店が増え、関東に限定されていた販売地域も、山崎製パンが限定販売するなど、全国的にメジャーになりつつあるようだ。

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たけや(ひみつ基地内記事タグ検索)

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横浜桜木町 シベリアのコティベーカリー
大正五年創業の老舗、水羊羹を使用する本格的シベリアケーキ

スイーツ図鑑・シベリアケーキ

シベリアデータベース

しべりや調査團 2007


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春爛漫の太平川桜並木


太平川桜並木

ここ数日の陽気で一気に桜が開花し、市内ではすでに満開に近い状態。

子どもの頃の遊び場だった、秋田市楢山の太平川沿い、総延長約2kmにおよぶ染井吉野の桜並木は、一部で護岸工事のため、例年よりは若干情緒に欠ける。


太平川桜並木


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花曇る太平川の桜並木 2013


桜花の百石橋・太平川定点観察


川のない橋「牛島橋」界隈を歩く


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哀れスギッチ・もぎ取られた左腕



すでに報道されているように、16日の朝、秋田わか杉国体を記念して秋田市石材加工組合から寄贈され、八橋運動公園内に設置されていた、大会マスコット・スギッチの石像が、何者かの手によって破壊されているのが発見された。折られた腕は台座の上に放置されていたという。



石像は数種類の石が組み合わされたもので、御影石の腕は相当な負荷をかけなければ切断されることはない。石像背面にも何かで殴ったような数カ所の傷が付けられていことから、秋田署では意図的に破壊されたものとみて調査している。

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関連リンク

スギッチの左腕折られる、八橋公園 無残、秋田中央署に被害届 | さきがけonTheWeb

秋田市 - 秋田市国体局 - 国体記念碑の除幕式を行いました

第24回-わか杉国体記念碑とスギッチ石像

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スギッチという「ゆるキャラ」を考察する

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祭りのあと・星辻神社



お祭り期間中に納められた大量のだるまに埋め尽くされた星辻神社の参道。

前にも書いたが、お祓いを受けただるまは、数体を旭川に流し、他は焼却される。

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今日のカモシカちゃん・千秋公園


08.04.13

心地よい春風に桜の花もほころびはじめた千秋公園で、久々にカモシカと出逢う。

めったに人の入ることのないカモシカのねぐら付近で、木々の若芽を食べながら、頭を木の幹にこすりつけるマーキング行動の後、急斜面を駆け上り視界から消える。


08.04.13


| 散歩写真・路上観察 | 19:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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秋田に春を告げる「だるま祭り」平成二十年度

福一満星辻神社 だるま祭り
秋田市川反一丁目
四月十二日・宵宮 十三日・本宮
両日とも朝七時から夜九時まで
車両通行止めおよび露店は宵宮のみ

肌寒く日中は小雨が降る宵宮、夕刻から雨もやむ。










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| 祭り・民俗・歳時記 | 23:00 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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昭和長屋店舗・広小路定点観察


03.08

秋田駅前ホテルハワイの東隣、加賀屋書店の向かいに建っていた昭和30年代の長屋形式集合店舗。

手前の白壁店舗・イタリアンレストラン「かぜ」は、平成16年(2004)2月、火事で裏の住宅権店舗を焼失して撤退。レストランになる前は「スエヒロ理容所」。隣に昭和36年から営業していた「わかき呉服店」。次が「船木薬店」。その隣のクリーニング店の前身はペットショップ「愛鳥園」。

「金券ショップ」の のぼり旗がみえる東隣の建物にかつて「喫茶ブルボン」と、大判焼きの「キタヤパン」が入っていた。


06.08

初期からの店は撤退して若い人向けのショップが並んだが、それも短期間で、しばらくはシャッターが下ろされた状態がつづき、平成20年(2008)2月に解体された。


08.03


船木薬店(消失物件)03.08


船木薬店(消失物件)04.02

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広小路から消えた堀

| 昭和ノスタルヂア・秋田 | 22:00 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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