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二〇世紀ひみつ基地

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2005年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2006年01月

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士魂商才の人・木内トモ・木内デパート



文章は、木内百貨店社内報『雪だるま』(昭和二十三年) に掲載

終戦後の物質欠乏と道徳の低下がいちじるしき時代、木内百貨店社長・木内トモが若き社員たちへ送ったメッセージ。

企業の良心とか企業倫理という言葉が、もはや死語になったかのような現代にあって、トモの厳しくも温かき言の葉は時代を越えて心に響き身にしみ入る。

明治生まれの女傑・トモの座右の銘は「士魂商才」。それは「利より義を、私より公を重んずる武士の魂で、才知ある商売を行う」ということ。武士のスピリットと商才を兼ね備え、それを実践したトモにこそふさわしい言葉である。

「人生の若さの盛り」とあるが、トモの経営のひとつの特徴は若さを重視すること。年功序列が当然だった時代、二十歳そこそこの青年に、一部門の仕入れから販売員の管理まですべてを任せた。東京の商社に商談に出かけても、全国の同業者の中でも木内の仕入れ係はあまりにも若くて驚かれたという。

経験よりも若さと意欲を重視する、トモの常識を外れた経営は、着実に実をむすび、やがては県内の所得番付トップを飾るデパートに成長していくのだが、平成の不況下、中心街の空洞化も影響し、売り場面積を縮小しはじめ、現在は一階のみで細々と営業している。

秋田の中心商店街だった広小路の衰退と、木内デパートの現状を、木内トモはどんな思いで見守っておられるのだろうか。


| 昭和・平成ノスタルヂア・秋田 | 13:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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