第五十九回、竿燈妙技会
秋田市保戸野通町にて

合同演技
竿燈まつり期間中、八月四日から六日まで、通町を会場に開催される竿燈妙技会の面白さは、本番の夜竿燈を凌ぐものがあるのだが、秋田市内に住んでいても一度も目にしたことが無い人も多い。
競技種目は、大若団体規定、大若自由演技、大若個人戦、囃子方、小若囃子方、小若団体規定。

大若規定演技・北都銀行
大若団体規定は、チーム五人で「流し」「平手」「額」「肩」「腰」の演技を各々三十秒ずつ行い、七人の審査員が持ち点十点の五十点満点で審査をし、合計点を競い合う。継ぎ竹は二本使用し、型の美しさ、地面に根がついたような安定した姿勢が審査のポイントとなり、地面にテーピングした円いリングから出たら減点される。
最終日の三日目は予選を勝ち残った十六チームがトーナメント方式で対戦。二チームが赤・白のリングに隣りあわせて同時に演技を行い、七人の審査員が赤・白の旗を揚げて勝者を決定する。その瞬間、会場は最高の盛り上がりをみせる。

竿燈技五種
「流し」南通
次の指し手が継竹を継ぎやすいように支える基本技。一見地味だが継竹を握ったまま静止させるには相当の握力と技術が必要とされる。
「平手」 城町
高々と竿燈をかざす力強く豪快な技。差し上げた利き腕と、ふんばる軸足が一直線になるのが理想的。
「額」保戸野鉄砲町
高難度の技。鉢巻きの上に乗せるが、50キロ以上の竿燈の重さで額が傷つくため、鉢巻きに緩衝材を入れる人も。
「肩」北都銀行
最も指しやすく安定する技。利き腕を高く伸ばし、軸足と肩を一直線にする。
「腰」保戸野鉄砲町
バランスをとるのが最も難しい大技。

審査員

大若団体規定優勝・新川向南町(Aチーム)
感極まって抱きあって涙を流す姿が感動を呼び貰い泣きする観客もいた。
その年の秋田で一番の差し手を決める大若個人戦は、団体戦から「流し」を除いた四種目を一人で行うが、50キロの竿燈を一分二十秒の間あげ続けるには相当な体力と技術を必要とする。
大若自由演技は規定のような継ぎ竹の制限は無く、規定と同じ五種目をチームで演技する。花笠やマトイなどの飾りを付け、途中で継ぎ竹を足されて高さと重量は増し折れやすくなるため、安定させるには力と高度な技術が要求される。余裕が出ると、片手に番傘、片手に扇を持ったり、竿燈をあげたまま地面に膝を着いたりと派手な演技も飛びだし会場から喝さいを浴びる。以前は継ぎ竹の本数が点数に計上されていたが、そればかりを争うことがエスカレートして竿燈自体の安定性が損なわれたため、昨年からは五本以上足しても加算されないようになった。
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継ぎ竹五本の竿燈を持上げる・城町
竹のしなりの美しさ
基本的には何でもありの自由演技、2003年の決勝戦で下米町一丁目は、継ぎ竹をゴルフバックに入れたキャディさんを登場させ笑いを誘い、マトイからは鳩と紙吹雪を出す仕掛で観客から喝さいを浴びる。

2003 大若自由演技・下米町一丁目のキャディさん
今年の下米町一丁目の自由演技は、花笠の下の容器に鳩を二羽入れ、竿燈が安定したところで容器につないでいた釣り糸を引っ張ると、鳩が飛びだす仕掛けを披露し、成績は自由演技第三位。

大若自由演技・下米町一丁目の鳩が出る仕掛け
野外での競技は、天候、特に風に影響を受け公平な採点が難しい。そのため、一時は体育館を会場に行われていたが、無風の室内では竿燈の動きが少なく盛り上がりに欠けることから、再度野外に戻され、現在地に移るまでは千秋公園中土橋を会場としていた。風神を味方につける強運もまた実力のうちということだろうか。今でも雨天は市立体育館が会場となるのだが、室内での競技ではその魅力は半減してしまう。風で押し流された竿燈を傾けて、力技で6メートルのリングに戻すときの姿、それが成功したときの喚声は室内では味わう事ができない。しかし現在の通町会場は中土橋に比べて風が強すぎるため差し手にとっては不評なのだという。

囃子方演技・新川向南町

小若囃子方演技・向馬口労町

大若団体規定優勝・新川向南町
夜の本番、優勝チームは優勝旗とトロフィーを持ち先頭を切って誇らしげに入場する。
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