二〇世紀ひみつ基地

●土地の記憶●歴史●民俗●路上観察●広告●二〇世紀ノスタルジア・・・秋田市を中心に

≫ EDIT

赤ずし・夏の郷土料理



「赤ずし」、別名「盆ずし」「けいとまま」「赤まんま」「赤もの」など。「けいと」は、この時期に咲く「鶏頭」の紅い花からのネーミングか?

県北から横手地方の山間部に伝承されている郷土料理で、自分が子どものころは食べたことがなかった。

炊いたもち米を桶に薄く敷き、その上に胡瓜または白瓜の古漬、塩もみした赤紫蘇を加え、笹の葉をかぶせて漬け込む。数日から一週間ほどで、ほどよく発酵し食べごろになる。

梅酢に漬けた赤紫蘇を混ぜる場合もあり、この方法ならば、漬けてすぐに食べることができる。

精霊棚や墓に蓮の葉にのせて供え、客にもふるまう。ときに砂糖や醤油をかけて食べ、酒の肴にもなり、味の濃いものは御飯の上にのせて茶漬けにする場合もあるという。

さっぱりとした味わいは、食欲の落ちる真夏にはかかせないものだった。

写真の「赤ずし」は、馬口労町の草市に出店している家から購入したもの。定番の赤紫蘇、胡瓜の古漬のほかに、ミョウガ、菊花、粒のままのブドウ(これが以外にマッチしている)が入り、ほんのりとした酸味と苦味が上品で、口当たりのさっぱりとした珍味である。

ブドウといえば、秋田には山ブドウともち米で漬ける「ブドウずし」がある。山ブドウの代わりにコハゼ(ナツハゼ)を用いる「コハゼずし」も同様なもので、「赤ずし」とともに植物だけでつくる珍しい発酵食品である。

秋田に近い津軽の西北部には、「赤ずし」に似た「すしこ」という料理があるが、こちらは秋の稲刈り時に体力をつけるための料理という。

-----------

関連記事

草市・馬口労町(2005)

関連リンク

赤もの漬けレシピ(あきたファン・ドッと・コム)
まま(赤)漬けレシピ(秋田地域振興局農林部)
コハゼが加えられている
まま(赤)漬けレシピ(JAあきた湖東)
ミョウガにブドウと菊が入っており、今回の写真のものとほぼ同じ

すしこ 01(あおもり食の文化伝承財レシピ)
すしこ 02(あおもり食の文化伝承財レシピ)



| 食材・食文化 | 22:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

草市・馬口労町

20050813021950.jpg
勝平得之「盆市」(部分)昭和二十一年

八月十二日、近郊の農家が集り、お盆に使う花、野菜、果物、精霊棚の供え物などを売る草市(盆市)は、秋田市内では保戸野通町と馬口労町で古くから続いているが、往年の情緒を今に残す草市は、馬口労町だけになってしまった。

20050813021930.jpg
馬口労町通り

20050813021858.jpg


20050813021835.jpg
盆花(精霊花)

盆の数日前に山に入り花を採ってくる行事は「盆花折り」などと呼ばれ、山にいる祖霊は盆花に乗って家に帰ってくるとの言い伝えもある。本来は購入するものではなく、それぞれの家が山から採取するもので、先祖迎えも兼ねた行為だったのだろう。

20050813021704.jpg
スーパーなどでは規格外れとされ見ることができない、伸び伸びと育った茄子と胡瓜

20050813021816.jpg
精霊棚の供え物

20050813021635.jpg
鬼灯(ホオズキ)と飾り灯籠

鬼灯は精霊の乗物、精霊を導く灯火。
食品に分類される飾り灯籠は、たけや製パン製。

20050813021755.jpg


20050813021423.jpg
笹巻き(三角ちまき)

本当はイグサで結ぶのだが・・・、これではせっかくの笹巻きが不味く見える。

20050813021402.jpg
秋田の郷土料理「赤ずし」

別名「盆ずし」「けいとまま」「赤まんま」など。
炊いたもち米を桶に薄く敷き、その上に胡瓜の塩漬、塩もみした赤紫蘇を加え、笹の葉をかぶせて漬け込む。精霊棚や墓に供え、砂糖や醤油をかけて食べ、客にもふるまう。サッパリとした味わいは、食欲の落ちる真夏にはかかせないものだった。

20050813021339.jpg
懐かしのマクワウリ

値札には「メ瓜」と記されていた。「メ」は「うめ(旨い)」という秋田方言でが短くなったもので、「メ瓜」とは「旨い瓜」の意。

子供のころ、夏になると瓜売りがやって来た。その売り声も聞いたような気もする。瓜は西瓜よりも大衆的な夏の風味だったが、プリンスメロンなど、より甘く安価な交配種が出回るようになって市場から消えていった。

最近では精霊棚も省略する家が増え、こんな草市の光景も、やがては消えてしまうのかも知れないが、後世に残して欲しい夏の風物誌である。


大きな地図で見る

| 祭り・民俗・歳時記 | 23:00 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT |