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二〇世紀ひみつ基地

●土地の記憶●歴史●民俗●路上観察●広告●二〇世紀ノスタルジア・・・秋田市を中心に

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つりばなのはぜて赤き実夕間暮れ


ニシキギ科ニシキギ属ツリバナ(吊花)の実
藩廟の跡・千秋公園にて

赤く熟したツリバナの実が割れて、今にも落ちそうな赤い実をぶら下げる秋。


ツリバナの花

五月頃に開く、すこし紅をさした淡緑色の花は気品があり、秋にはぜる赤い実とともに、茶席を彩る茶花として好んで用いられる。

吊り下がって咲き、実をつけるその姿から、ツリバナの名がつけられた。


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露草のうつろい易き青空よ



朝露の降りる早朝に咲き始め、午後にはしぼんで命を終えてしまう、露のごとくはかなきツユクサ(露草)の、鮮やかな青色と、見れば見るほど不思議なそのカタチ。

ツユクサの和名は“露をおびた草”という意だが、古くは「つきくさ・付草」とよばれていた。その意は花びらの青色が“付きやすい”(衣に摺るとよく染み着く)ため。

万葉集の読みでは「月草」の字が当てられ、その花のはかなさ、その花で染めた着物の色の褪せやすさなどから、「月草」を“うつろいやすさ”にたとえる。



水に溶けやすいツユクサの色素の特性を利用して、染物の下絵を描くために用いられたが、小さい花では効率が悪く、のちにツユクサの栽培変種で大型のオオボウシバナ(大帽子花)で和紙を染めた「青花紙」を絵の具として使うようになる。詳細は下記関連リンク参照のこと。



ツユクサには別名も多い。そのカタチから「帽子花」「蛍草」「蜻蛉(とんぼ)草」、その色から「青花」「縹(はなだ)草」「藍(あい)花」「インキ(インク)花」・・・、なかには「紺屋のお方」という風流な方言も。※「紺屋・こんや」=「藍染めを職業とする家・職人」


かへる日もなき 三好達治

かへる日もなきいにしへを
こはつゆ艸の花のいろ
はるかなるものみな青し
海の青はた空の青
 三好達治詩集『花筐』より
‥‥前略‥‥
草姿(そうし)は見るに足らず、唯二弁より成る花は、全き花と云うよりも、いたずら子にむしられたあまりの花の断片か、小さな小さな碧色の蝶の唯(ただ)かりそめに草にとまったかとも思われる。寿命も短くて、本当に露の間である。然も金粉を浮べた花蕊(かずい)の黄に映発(えいはつ)して惜気もなく咲き出でた花の透き徹る様な鮮やかな純碧色は、何ものも比ぶべきものがないかと思うまでに美しい。つゆ草を花と思うは誤りである。花では無い、あれは色に出た露の精である。‥‥後略‥‥
徳富蘆花『みみずのたはこと』「碧色の花」より
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関連リンク

青花紙/色の万華鏡
青花(ツユクサの栽培変種オオボウシバナ)で染める青花紙。今でも京友禅などの下絵に使われている
色の万華鏡 TOP
「日本の色」に関する充実したサイト

青花紙は今/滋賀県草津市

季楽vol.18/花を食べる風流・露草を食す。

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フェアリーのベルを鳴らせよ釣鐘草


09.08

盛夏から晩夏にかけて、釣鐘形で薄青紫の可憐な花をつける、キキョウ科の多年草・ツリガネニンジン(釣鐘人参)、別名・ツリガネソウ(釣鐘草)。

春先の若葉は山菜として、ゴマ和えや天ぷらで食され、細いニンジン状の根も食用にするほか、漢方では咳止め・去痰薬として使われる。

ツリガネニンジンをトトキともいい、長野県の俗謡に「山でうまいはオケラにトトキ 里でうまいはウリナスビ 嫁に食わすも惜しゅうござる」とうたわれるほど珍重された山菜だった。オケラはキク科の多年草でこれも若葉を食べる。

秋田県内での呼び名(方言)は、トドキ、トットキ、ヤマダイコン、ヌノバなど。

画像の上の方に赤いものがみえるが、これは茎に群がって汁液を吸うタイワンヒゲナガアブラムシ。虫にとっても美味しい植物なのか、ツリガネソウは害虫による食害が多いという。

妖精が宿るかのような愛らしいその花は詩人たちに愛され、宮沢賢治は「ブリューベル」青いベルと呼んだ。
あやしい鉄の隈取りや
数の苔から彩られ
また捕虜岩(ゼノリス)の浮彫と
石絨の神経を懸ける
この山巓の岩組を
雲がきれぎれ叫んで飛べば
露はひかってこぼれ
釣鐘人参(ブリューベル)のいちいちの鐘もふるえる
‥‥後略‥‥
           宮沢賢治『早池峰山嶺』より

風が吹いて草の露がバラバラとこぼれます。つりがねそうが朝の鐘を、
「カン、カン、カンカエコ、カンコカンコカン」と鳴らしています。
                    宮沢賢治『貝の火』より
釣鐘草 野口雨情

小さい蜂が 来てたたく
釣鐘草の 釣鐘よ
子供が見てても 来てたたく
大人が見てても 来てたたく
釣鐘草の 釣鐘よ
静かに咲いてる 釣鐘よ

   『青い眼の人形』より
風の子供 竹久夢二

風の子供が 山へ出て
釣鐘草をふきました
釣鐘草は目をさまし
ちんから ころりと 鳴きだすと
薄(すすき)も桔梗も刈萱(かるかや)も
みんな夢からさめました
‥‥後略‥‥
      『日本童謡集』より


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烏瓜の青き実ふくらむ


09.08.29

烏瓜の実が青くふくらむ晩夏とはいえ、太陽の照りつける夏らしい日が少なかった今年、昨今は気温も一気に下がり、すっかり秋の気配。

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