二〇世紀ひみつ基地

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地蔵の首とキリストの顔・素朴派的造形

弘願院・六地蔵
2013.06

秋田市楢山共和町、浄土宗「弘願院」境内の六地蔵。

明治初年の仏教排撃運動、いわゆる廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の影響で、六体すべての首を切断される災難にあい、のちに修復された。

弘願院・六地蔵

損傷が少なかった頭部は、そのままセメントで接着されたため首回りが太い。

以下2枚の画像は、損傷がいちじるしい、もしくは行方不明となった頭部の代わりに新たに作成、もしくは修復されたセメント製の顔。

弘願院・六地蔵

弘願院・六地蔵

檀家衆の手によるものか、信仰心が生んだ素朴な造形である。

頭を傾げたユーモラスなその顔は、昨年(2012)の夏、“世界最悪の修復画”としてメディアをにぎわせた、キリストのフレスコ画と似ていなくもない。

Fresco
エリアス・ガルシア・マルティネス(1858-1934)作『この人を見よ』
左・修復前 右・修復後

スペイン北東部の教会の柱に描かれ、近年は湿気による剥落が目立っていたフレスコ画を、善意ではあれ、無断で塗り替えたのは、近所に住む当時80歳の女性。

毛むくじゃらの猿のような、ひどい仕上がりに、地元住民から苦情が殺到。ところが、メディアに取りあげられると、一目見ようと各地から見物客が殺到する。あまりの混雑に入場料を徴収するようになると、今度は修復した女性側が図に乗って、著作権料の授受を主張するなど、すったもんだがあったようだが、はたして今はどうなっていることやら。

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妙覚寺の腹高地蔵さんと地母神

●おなかの大きなお地蔵さん


10.06

秋田市旭北寺町、曹洞宗・妙覚寺境内の六地蔵。ありゃ?六体じゃなくて七体あるぞ!と良くみれば、右端の大きな地蔵さんの脇に「子安地蔵」の標柱。妊婦を守護する安産の地蔵さんだ。


10.06

「子安地蔵尊」の標柱は平成六年に建てた新しいもの。

この地蔵さん、古い観音菩薩がいつしか地蔵尊に変身したものと伝えられ、お腹が少しふくらんだ妊婦の姿をしていることから「腹高(はらたか)地蔵さん」と親しまれ、安産を願う者は豆腐を供えるのが古くからの習わしで、以前はその前面に豆腐を供える木製の台が置かれていた。ふっくらと突き出た腹をなでると安産するともいわれている。

「子安地蔵」「腹帯(はらおび)地蔵」など、安産に関する地蔵さんは多いが、妊婦の姿をそのまま表現した物件は全国的にも珍しい。


●地蔵菩薩のルーツは大地の母

お釈迦さんの入滅後、弥勒菩薩が出現するまでの五十六億七千万年のあいだ、混濁した無仏の世の中で、さまざまに姿を変え、六道をめぐって人々を救済・教化する役割を託され、日本では安産と子どもの守護神としても庶民に信仰された地蔵菩薩。優しくおだやかな顔を持つ反面、地獄の閻魔大王に化身し憤怒の形相で亡者を叱咤する。

右手に錫杖(しゃくじょう)を持つ修行僧の装束をまとい、童子の石像も少なくはない地蔵さんに女性のイメージはない。ましてや妊婦とは結びつかないが、そのルーツをたどると古代インドの女神にたどりつく。

地蔵菩薩の語源、サンスクリット語のクシティガルバを訳すと、「クシティ」=「大地」、「ガルバ」=「胎蔵」、これを意訳して「地蔵」。「胎蔵」は「一切を含有する母胎・子宮」を意味する。

つまり「地蔵」はもともと、大地の生命力・生産力を神格化した、万物を生み育てる大地の母・地母神、ギリシャ神話でいうガイア、日本神話ではイザナギノミコトに相当する女神だった。それならば妊婦をかたどった地蔵さんがいてもおかしくはなく、むしろそれが地蔵さんの本来の姿といえる。

おだやかな表情の地蔵菩薩が閻魔大王に化身するように、ありとしあるものの命を育む大地母神もまた、人々を黄泉(よみ)の国へと誘う恐ろしい破壊神の一面を持つ。その母胎である大地は死と再生が絶え間なく繰り返される輪廻(サイクル)の場であるのだから。


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つぎはぎ地蔵・廃仏毀釈の産物


07.04

明治初年の仏教排撃運動、いわゆる廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の影響で、多くの石仏が首を切断されるなどの被害にあった。

金照寺山の某所に建つこの地蔵さんは、首をもがれたふたつの石像の、頭と胴体を無理矢理接合した物件。

地蔵さんの頭部は錫杖(しゃくじょう)の角度からみて立像だが、その胴体は座像。座っているのか立っているのかわからない、頭でっかちなアンバランスさが、哀しくもあり可笑しくもある。胴体のほうは地蔵さんではなく、観音さんだったのかも。

あきらかに石質の異なる頭部と胴体を接合した地蔵さんはよく見かけるが、これだけ違和感のある物件は珍しい。

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愛宕町の汗かき地蔵・新屋

旧北国街道沿いの新屋表町、浜田浜に向かう坂の下に愛宕町地蔵堂がある。


愛宕町地蔵堂(鹿島祭の日)07.06

お堂に安置された鎌倉時代の作と言われる、黒石で造られた地蔵さんは、火難・疫病除けの地蔵尊として地域の信仰が厚く、かつては、旧暦七月の祭日となれば、県内各地からも多くの参詣者が訪れて賑わったものらしい。


汗かき地蔵 04.06

昭和五十八年五月二十六日、日本海中部地震発生。地蔵さんの霊験か、愛宕町地域の家には何の被害もなかったが、地蔵講の世話人がお堂に入ると、重さ2トンはあるという地蔵さんは祭壇の前に倒れ、床板が壊れていた。

前方に置かれた祭壇や、小さな仏像を入れた厨子は無傷で、まるでそれらを避けるように倒れていた地藏さんの顔は、涙を流したかのように濡れていたという。

地震からしばらくして、お堂が改築され現在の姿になった。


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愛宕町地蔵堂

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関連リンク

汗かき地蔵まつり/志摩市観光協会

流汗地蔵/和歌山県高野山

汗かき地蔵/福井県坂井市

汗かき地蔵/福島県中島村

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