1. 公孫樹様専用・通り抜けの穴

    大橋屋旅館 09.05通町橋のたもとに建つ、“小便小僧”モニュメントの向かい、大橋屋旅館の庇に穿たれた、公孫樹(いちょう)の通り抜け穴。改築の際、門前の公孫樹をそのまま保存するために開けたものと想像される。もともとは外町の職人町・大工町(通町)で営業していた旅館で、大正7年、かつては秋田市の官庁街であった土手長町に移転。公孫樹のために四角く穴の穿たれた庇の上に、木製で年代物の旧称“大橋旅館”の屋根看板が上が...

  2. 掲示板のある風景・土手長町県庁前通り

    土手長町県庁前通り 大正期着物姿の子どもが立つ土手長町通りの右手に県庁の入口、左手の掲示板の向こうに、松と桜が植えられた土手が連なる。子どものいる位置から左(西)に目を向けると二丁目橋と二丁目小路(現・山王大通り)。現在の同地点 08.09昭和二十年頃までに旭川沿いの土手はすべて取り払われ、昭和三十年代、県庁舎の焼失後、土手長町通りのうち、旧県庁前の区画が拡幅されたため、大正期の風景と比較すると今の道幅...

  3. 土手長町官庁街の中心地・秋田県庁舎

    明治四年の廃藩置県で秋田県が誕生、久保田城(現・千秋公園)本丸御殿をそのまま使用して、明治五年に開庁した県庁は数カ所を移転後、明治十三年、南秋田郡土手長町中丁に擬洋風建築の新庁舎を落成、同年四月十七日開庁。二丁目橋と秋田県庁舎・明治十三年開庁欧米の建築を日本の職人たちが見よう見まねで造った、明治初期の建築物を「擬洋風建築」という。擬い物(まがいもの)であるため「擬洋風建築」と名づけられた。敷地約六...

  4. 黄昏の街懐かしき鐘の音

    勝平得之 秋田十二景「鐘樓餘景」昭和四年鷹匠町の「鷹の松」越しに、外堀と千秋公園を望む。公園の高台に夕陽を浴びて建つ鐘楼と家並み。鐘楼の高台と対峙するように、手前に配置した「鷹の松」が作品に奥行きを添える。実際の鐘楼は「鷹の松」の延長線上よりも南に位置するため、この位置から「鷹の松」越しに鐘楼は見えず、その下につらなる家並みも実際の風景ではないが、そのまま写生したのでは“絵にならない”ため、勝平はそ...

  5. 城下の名残「鑑の松」貞節の鑑

    ●土手の上の老松 08.10秋田市矢留町、保戸野新橋のたもと、土塁の上で貫禄のある優美な姿をみせる老松「鑑(かがみ)の松」。佐竹義宣公が、今の千秋公園に築城、町割りの一環として旭川を大改修し、掘替えの際に出た土で旭川の東岸に、高さ八尺(約2.5メートル)の土手を築いた際に植えられたもので、間近にある「鷹の松」と同様に樹齢三百八十年ほどの老松である。防御壁として旭川の東岸、内町(うちまち)側に築かれ、松...

  6. ドーム屋根のモダン建築・秋田物産館

    秋田物産館(昭和初期の絵葉書より)大正十四年、秋田市土手長町中丁(現・中通三丁目)、現在の北都銀行本店営業部の地に、産業の振興を目的とした「秋田物産館」竣工。十月十五日のオープンの日、宮城・岩手における陸軍大演習統監を終た摂政宮(のちの昭和天皇)が物産館をご覧になった。左手前の建物が昭和六年竣工の秋田警察署、角を左折すると今の中央通りだが、まだ道幅が狭く、駅方向に直進すると十七連隊にぶつかる。昭和...